パソコンと古文書解読

第31話 資料のPDF化

古文書の勉強を続けると、“古文書”(筆書きコピー)が貯まります。最初はホチキスで綴じて本棚に入れるだけでしたが、探すのに苦労するので、全て表紙を付けることにしました。これでも数が増えると大変で、特に小冊子・1枚ものは見つかりません。捜し物が見つからないのは精神衛生上よくありません。

パソコン雑誌の編集者は、雑誌を手に入れると、綴代を裁断機で切り落し、自動給紙方式のスキャナにかけて、パソコンに取込み、OCRを使いPDFにまとめて保存する……と聞きました。これだ!と思いました。

“古文書”を入手すると、製本する前に「ScanSnap」(自動給紙方式両面同時読み取)スキャンし(ノーマル300dpi)、PDF(Portable Document Format)形式で保存します。1つのファイルにまとまり、表示倍率の設定も簡単で、次頁へもすぐ移動できます。「AdobeAcrobat」を使えば、PDFに文字を書込み、検索も可能となります。ファイルの追加・削除なども簡単です。さすが、本家の作ったソフトです。
コピーの“古文書”の方は、表紙をつけ、鉛筆で書込みをしたり、黄色のダーマトで色づけしたり……。勉強会に持って行くのはこれです。一応読み終ると本棚行きで、たまに必要があって探しても、……出てこない。それならいっそ編集者に倣って捨てたらどうだろうかと思います。PDFがあるので、事実上は困らないはずです。読みやすさでは紙に軍配が上がりますが、それ以外では圧倒的にPDFが有利です。場所をとらない、検索は早い、再利用が簡単。
PDFにした“古文書”を見ながら、解読文を作るのは画面が狭すぎて苦労します。そこでディスプレイを2つDual Displayにしました。評判通り、気持よく使えます。

“古文書”だけでなく、本も電子化すると便利です。これについては第29話で書きました。「ScanSnap」も買いました。「AdobeAcrobat」がおまけで付いてきました。裁断機(PK-513)も揃えました。しかし、本の「ノドにカッターナイフを入れて一気に切裂く」のには抵抗がありますが、「後で元通りに製本するから……」と断って解体しています。ゴミに出すのは当分できそうにありません。それは兎も角、資料の保存だけでなく、資料の活用の観点から電子化を推し進める必要があります。

“資料の一時預り”で役に立つのが「Memo帳」です。「Memo」と名付けたテキストファイルを作り、そのショートカットを「スタート」ボタンの右、「クイック起動」に置きます。これはメモ帳・備忘録として使います。住所変更通知・重要なメールの内容・買いたい本の名前・文書の一部……、何でも書込んだり、コピーして貼付けたりします。沢山貯まっても消しません(一時預りではありません)。検索すると目的の項目にすぐたどり着けますので、重宝しています。
書方にコツがあります。例えば、「図書館貸出利用券」の番号を、「12345」と書込みます。書いたときは何の数字か解っていますが、時が経つと忘れてしまいますので、必ずキーワードを書添えて、「図書館貸出利用券の番号 12345」とします。

「Memo」は文字だけの備忘録ですが、絵の備忘録を作ると便利です。「Microsoft Photo Editor」で「新規作成」し、画面を保存して、「White Board」と名付けただけの画像ファイルです。そのショートカットを「クイック起動」に置きます。これで出来上りです。
HPの中に記録したい絵があると、その部分をコピーして、「White Board」を呼出し、空いたところに次々と貼付けて保存します。まるで“落書帳”です。残念ながら文字情報ではないので検索はできませんが、「一太郎」を使えば検索できます。

「ScanSnap」を使って“古文書”をスキャンするときは、文字を逆に(字の頭を下に)セットしないと、PDFをコピーしたとき字が逆になります。

コピーやスキャンの作業で、紙をめくる必要があります。指サックが必須アイテムですが、指先が蒸れたり、締付けられたり……。そこで、“実用新案”を考え付きました。指先に紙製の両面テープを貼ります。幅は5oくらい。布などに触って粘着力を落してから使います。

“古文書”と「くずし字辞典」の両方をPDF化すると、文字の比較が楽に正確にできるようになります。トレーシングペーパーでくずし字をなぞる作業には一苦労しますが、PDFなら簡単です。該当文字を@範囲指定して、A右クリック→Bスナップショットしたものを「一太郎」の画面にC貼り付けます。

 

 
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