パソコンと古文書解読

第32話 くせ字解読字典

パソコンの取り得は検索にある」と思っています。

DDwinを使って辞書から用語の検索をします。WZEditor7は、テキストファイル内の言葉を検索します。Grepを使えば、大きな My Database(多くのテキストファイル)から 言葉を探し出すことができます。「探三郎」なら、一太郎文書やPDFなどからでも言葉を探し出します。ネットを使えば、相当変った事柄でも見つかることがあります(「ガラスに丸い穴を明けるには?」で検索すると、アリマシタ!。)
この検索の名人も、肝心の画像(くずし字)の検索は苦手のようです。そこで、やむを得ず画像(くずし字)と活字(解読文字)を対応させておき、活字を検索して画像を見つけることになります。

読みにくい文字(字形では読めないが、文意から読める文字)に出会うと、この字形をトレーシングペーパーに鉛筆(2B)でなぞり、その隣に赤ペンで“解読文字”を書入れて、“くせ字解読字典(トレーシングペーパー版)”を作ります。読めない文字があれば、「くずし字解読辞典」を見たり、“くせ字解読字典”を参照しますが、くせ字は筆者によって違いますから、この“字典”はその文書専用で、有力な武器になります。それにしても、その作業は結構面倒です。

鉛筆でなぞる作業に代えて、古文書(資料PDF)で該当の文字を範囲指定して、右クリック→「スナップショット」します。この文字(筆文字、画像)を「一太郎文書」に「貼付け」ます。その隣に“解読”をタイピングします。この作業を繰返すと、“くせ字解読字典(一太郎版)”ができあがります。これで検索が可能になりました。勿論、筆文字の中から“正解”を探すこともできます。ワープロソフトを動かすので、動きの鈍いのが玉に瑕です。

「くずし字用例辞典」(PDF版)の該当箇所の空いた所に、上記「スナップショット」を貼付けると、「くせ字」も参照できます。

もっと簡単な方法もあります。それはPDFの古文書(資料)の余白に、いきなり「AdobeAcrobat」を使って直接に“解読文字”をタイピングします。PDFの古文書(資料)をそのまま使いますので、該当の文字のコピーは不要です。それだけで、“くせ字解読字典(PDF版)”の出来上りです。欠点は、くずし字の中に“活字”が散らばって、見栄えが悪いことです。

さらに、画像(くずし字)と活字(解読文字)の一対一対応を諦めて行ごとの対応にし、原文(くずし字)と解読文(活字)をページの上下に配列すると、「古文書演習」などの本で見られるお馴染みの画面になります。これなら、活字で探してくずし字を見つける、“くせ字解読字典”としても使えます。

これからは、@ 「一太郎」を動かして、A 古文書1ページ分の画像(PDF)をスナップショットを使ってコピーしたものを、B ページの上部に貼付け、C その下に解読した文章を書込みます。D 最後に 「一太郎」文書をPDFに変換し、保存します。

完成したものは「一太郎」文書か、PDFファイルになるため、Grepが使えません。Grepが使えるように、テキストファイルも準備する必要がありそうです。

 

 
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