パソコンと古文書解読

第34話 マルチディスプレー

机上にディスプレーを2つ並べ(マルチディスプレー)作業をすると能率的です。一度始めると後戻りできないほど快適です。

CRTディスプレーを2台並べるのは場所を取って大変ですが、液晶ならできます。

一つのディスプレーでも、「ウインドウ」を複数表示できますが(マルチウインドウ)、重なって見にくかったり、重なりをなくすためサイズを調整したり……、面倒なため、たいていは「最大表示」で使います。マルチディスプレーならこの手間はいりません。

パソコンでの操作の仕方をインターネットで調べることがあります。ディスプレーが1つのときは、要点をメモして、それを見ながら操作していましたが、マルチディスプレーなら、第2画面を見ながら作業ができます。

第2画面には、参考資料を表示します。特に役立つのはDDwinによる辞書で常に起動しています。10種類以上の辞書が「串刺し検索」できるようにして使っています。調べた事柄をコピーして、第1画面に貼付けて使います。

古文書はスキャンしてPDF文書として保存し、それを第2画面に表示して、これを解読します。拡大・縮小は自由自在、Acrobatなら書込みもできます。

小さな活字の「漢和辞典」もPDFにします。検索ができますので、目当の頁は簡単に見つかり、拡大表示すると、虫眼鏡なしで読むことができます。

古文書などは、いうまでもなく縦書です。ところがディスプレーは横長です。大きな字で、縦書表示にすると1行が画面に納りません。1行ごとにスライダーを使うことになるので面倒です。横書表示にすれば、今度は1行が長すぎて困ります。(最近の液晶はワイドが主流のようですが、なぜそうするのでしょうか)

そこで、第2画面を90度回転させて、縦長として設置します。「液晶ディスプレイアーム」を使えば回転は自由ですが、自作の仕掛でも簡単にできます。写真(BenQ17インチ)で、本体からスタンドをはずし、本体に長めのネジ(ナベ頭)4本を準備し、頭が7mmほど飛出すようねじ込みます。5mm厚の板(MDFボード)にネジの頭より少し大きな穴を明け、4本のネジが楽に通るようにして、スタンドにネジで取付けます。この穴に本体から飛出したのネジの頭を通して引っかけるだけ。簡単に横長に返すことも出来ます。

次に、縦長の画面に正しく表示できるよう、画面の設定をします。「デスクトップ」を右クリック、「プロパティ」をクリックして「画面のプロパティ」を表示します。「設定」→第2ディスプレーを指定→「詳細設定」→「回転」→「右90度」。

「回転」がないパソコンは縦長画面表示は難しいでしょう。勿論、グラフィックカードがマルチディスプレー対応でなければなりません。グラフィックカードを適当なものに取換える必要があります。中古部品を使えば安くできます。ノートパソコンでは、「ミニD-sub15ピン」があればディスプレイの増設ができます。

最大化した「ウインドウ」は第2画面に動かすことができませんが、隣の「元に戻す(縮小)」ボタンを押すと移動できます。第2画面で、手動でウインドウを最大に拡大すると、次回からいつも第2画面に表示されるようになります。

 

 
 
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